SHIKITARI PRESS Vol.4「初詣」

SHIKITARI PRESS Vol.4「初詣(はつもうで)」

皆様、新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

今回のテーマは「初詣(はつもうで)」について。

皆様は初詣はされましたか?

多くの方がこの初詣が1年に一度神社やお寺でお参りをするタイミングではないでしょうか。

なんとなく行っている初詣、この文化について深く考えたことはありますか?

皆が行っているから、縁起が良さそうだからなど初詣の意味や由来を知らないけれど

なんとなく行っているという方がほとんどかと思います。

実はこの初詣の文化は現在の形式に至るまで時代とともに大きく変化をしてきた文化なのです。

今回はその「初詣」の意味・由来についてお伝えします。


 「初詣」の意味

初詣の言葉の意味は

新年にはじめて社寺へお参りすること。初参り(はつまいり)ともいう。※広辞苑より抜粋

新しい一年の幸せを祈願することをさします。

では、その由来とは何なのでしょうか

「初詣」の由来

初詣の由来を語る上で欠かせない「年籠り(としごもり)」という言葉があります。

それは平安時代までさかのぼります。

年籠りとは村や家の長がその地域の氏神様を祭る社寺に大晦日の夜から元日の朝まで籠り

夜通し祈願することです。

この年籠りの文化は時代と共に大晦日の夜に参拝する「除夜詣(じょやもうで)」と

元日の朝に参拝する「元日詣(がんじつもうで)」の2つに分かれていきます。

元日詣が現在の初詣の原形となります。

そして明治時代初期までは居住地から見てその年の恵方に当たる社寺で参拝をする「恵方詣り」が正月行事として定着しました。

明治時代以後、鉄道の発達とともに多くの人が遠方・地方の有名社寺への恵方詣りを行うようになり盛んになりました。

この元旦詣や恵方詣りは現在の初詣と違い「氏神を祀る社寺」や「恵方にある社寺」など参拝する社寺が限定されています。

明治時代後期、鉄道業界の競争が増す中、各鉄道会社が方位に関係なく自社沿線上にある社寺を宣伝するようになりました。

方位に関係なく社寺に参拝する「初詣」という言葉が多く広告で使われるようになり、人々に浸透していきます。

大正時代後期に入ると初詣は主流となり、現在の形が定着していきます。

それに伴い恵方詣りの文化は衰退していきました。

由来を辿ると実は、現在の初詣はおおよそ大正時代から定着した比較的新しい文化であることがわかります。


「初詣」のルール

意味と由来をお伝えしてきましたが、初詣のルールについても合わせてお伝えします。

初詣には厳格なルールは設けられておりませんが一般的には1月1日から3日の間に行います。

よく初詣でお寺はダメと思われがちですが神社でもお寺でも大丈夫です。

また、恵方詣りや元旦詣のように方位や氏神様を祭る社寺等の決まりもありません。

多くの方が人気があったり、縁結びや学業成就などの目的に合わせて選ぶかと思います。

そして参拝方法については基本的な社寺での参拝ルールと変わりありません。

最後に

当たり前のように行っている初詣、実は歴史が比較的浅い文化です。

由来を理解することで初詣への考え方も少し変わったのではないでしょうか

人気があるからご利益があるわけではありません。

少し昔の考えに浸って恵方にある社寺や住んでいる地域の氏神様を祀っている社寺に

目を向けて赴いてみるのも良いかもしれませんね。





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