SHIKITARI PRESS Vol,7「酉の市」

SHIKITARI PRESS Vol,7「酉の市」 

 今回のテーマは「酉の市」についてです。 11月の酉の日に各地の鷲(おおとり)神社にてお祭りが行われています。屋台や出店が並びにぎやかな雰囲気ですね。またよく熊手が売られているのをみかけます。 ではなぜ酉の市では熊手が売られているのか、なぜ熊手なのか、起源や歴史を紹介していきます。

酉の市とは 

 先に述べたとおり11月の酉の日に各地の鷲神社(大鳥神社ともいう)にて行われる祭礼を「おとりさま」と呼び、この日に鏡内に市がひらかれることから「酉の市」と呼ばれています。 ではなぜ11月の酉の日なのか紐解いていきましょう。 

日本の神道では、祭神である日本武尊が11月の酉の日になくなったことから、鷲神社で同じ11月の酉の日にお祭りが行われるようになったと言われております、それをきっかけに出店や屋台が出てきて「酉の市」が始まったとされています。 

 鷲神社はもともと武運長久の神として、武士の信仰を集めていましたが江戸時代になりお祭りの市で農耕具を並べたところ「金や銀をかき集める」「福をかき集める」縁起物として熊手が人気の品になり、さらに七福神、宝船、お多福面などの縁起物が数多く並ぶようになっていったことから武運長久の神としてより、商売繁盛や開運の神として信仰が広まっていきました。



 熊手とは


熊手とは粗い櫛のように並べた棒を垂直に柄に取り付けた農具のことをいいます。 農業や庭作業に使われ、落ち葉や枯れ葉などを集めるのに用いられたり畑で不要な葉やツルをかき集めるのに用いられています。 熊手の形は鷲が獲物をつかんでいる様子に似ていることから「福を掴んで離さない」「福や金銀をかき集める」と考えられ縁起物とされてきました。また、時代と共に様々な縁起物の飾り付けがされるようになっていきます、この飾りは指物(さしもの)と呼ばれそれぞれに意味があり洒落た願いが込められています。 指物として飾り付けられるものとしては、お多福面、鯛、千両箱、亀といった縁起物が用いられます。

熊手という道具の形や見た目から、このように縁起物として考えられる昔の人々の感性は現在にはなかなかないものだと思います。




 終わりに

以前「酉の市」に行った際に熊手が売られていることは知っていましたが、なんとなく縁起物なんだなとしか考えていませんでした。今回「酉の市」の歴史や起源、意味を調べたことでより深く、熊手の意味や酉の市がなぜ行われるようになったかを理解しました。

 古くから行われているこの行事、昔の人々の素敵な感性にて生まれた縁起物を後世に残していきたいと感じました。 こういった何気なく行われている行事を深く理解することで、日本人の日本人らしさが身についていくと考えます。


 

SHIKITARI

伝統・文化を伝承していく

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